2020/01/17
保護者の皆さんは、スクールカーストという言葉をご存知ですか。お恥ずかしい話ですが、教育現場にいるくせに私は、『教室内カースト』(鈴木 翔・光文社)という本を読むまでは知りませんでした。
スクールカーストは、カーストという言葉から連想できるように、教室内での生徒たちの序列と差別を表します。教育評論家の森口 朗氏がその著書『いじめの構造』で使用してから広く知られるようになったそうです。
教室内での生徒たちは、ある基準によって、上・中・下とかA・B・Cといったようにランク付けされます。そして生徒たちはその所属するランクに応じた行動をクラス内で要求されます。
その基準とは何でしょう。何でも無いことです。スポーツが得意、勉強ができる、流行に敏感、声の大きさ、髪型…。他愛無いことです。こんなことでお互いを区別し、他者を低くみて満足しているなんて、情けありません。
このスクールカーストの問題点は、いじめの温床になることです。上位グループの生徒が、掃除当番を無理やり代わらしたりと、理不尽なことを下位の生徒に押し付けたりすることがあります。下位の生徒は気が弱かったりするので、それを受け入れてしまいます。これが常態化するといじめになるのです。担任の力量が試されますが、下位の生徒が「いやだ!」と言えるようなクラスだといいですね。